プロジェクト実施背景
多くのこども食堂をはじめとする子どもを中心とした食の居場所は地域の大人の”気づき”や”小さなおせっかい”で成り立っています。全国に広がるこども食堂への理解者を増やし、子どもたちが安心できる居場所を安定して運営していくためのサポートが必要です。
全国食支援活動協力会は、これまで取り組んできた食の居場所の全国的なつながりを生かして、「こども食堂サポートセンター」を2019年4月から開設しています。
「こども食堂サポートセンター」は、子ども支援に関わる幅広い機関と連携しながら、各地の子どもの居場所づくりを支援していきます。
例えば このような支援に取り組みます。
- 衛生管理、食育、子どものケアや関わり方など、こども食堂の運営にかかわるノウハウの発信
- 助成、寄付の情報や活動地域の関連機関の紹介
- 個別の相談を適切な機関につなぐ窓口機能
今、「子どもたちの健やかな育ちを応援したい」と、企業など多くの機関がこども食堂の取り組みに関心を寄せています。この「応援したい」と「応援がほしい」をつなぐ役割が、こども食堂サポートセンターです。
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こども食堂とは
©️kucci
子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂で「地域食堂」「みんな食堂」という名称の場合もあります。
2012年に東京都大田区の八百屋の一角で始まった「だんだんワンコインこども食堂」代表 近藤博子さんが初めて「こども食堂」という名前を使用し、全国的に広がりを見せました。
「子どもたちに、栄養たっぷりの温かい食事を食べてもらいたい」
「何か子どものためにできることを」と、地域住民の有志やグループが次々と立ち上がりました。
さらに最近では、食材の調達を子ども自ら行い、調理に関わることを通して、自立した大人になるための力を身に着けようと、楽しく工夫をこらした取り組みも始まっています。
こども食堂は、“どんな子どもも安心していられる、地域の居場所”です。
遊び、学習支援、食育など、単に食事を提供するだけなく、年齢の異なる人たちとのふれあいの中で、子ども時代の体験を豊かにする場でもあります。また、子どもを通して親への支援につながったりもします。
「子どもたちには、たくさんの人との出会い・関わりの中で、のびのびと成長してほしい」
この思いは地域を超えて広がり、こども食堂は全国に5,000ヶ所以上といわれています。
こども食堂の現状と課題
コロナ禍では、居場所で一緒に食事をとることが難しくなり、お弁当配布やフードパントリーに活動を切り替えたことで、こども食堂が子どもたちだけでなくその親と出会うきっかけが生まれました。 親とつながることで、子どもたちが置かれている家庭環境が垣間見えることも増えています。
また、こども食堂、地域食堂の中にはひとり親世帯の子どもたちも多いことから、「お母さんのお弁当も持って帰りたい」といった声もよく聞かれているのが実情です。
とくにひとり親世帯は非正規雇用で働く方が多く、長引くコロナ禍による経済的・精神的打撃、孤立が深刻になっています。
誰かに相談してみよう、支援機関を利用してみようと思うきっかけとして、居場所や専門職が連携し、食をきっかけに人とのつながりづくりが生まれることが望まれます。
そこで、こども食堂サポートセンタープロジェクトでは、母子生活支援施設などの福祉施設とこども食堂などの食支援団体をつなぐことで、活動団体がキャッチした個別支援ニーズを適切な支援にむすびつけられるよう、ネットワークづくり支援をしています。
母子生活支援施設とは
子育て支援を進めながら、母子の生活と自立を支援するための居住施設です。詳細はこちら
現在、母子生活支援施設では施設利用世帯だけではなく、退所後の利用者の方々の生活支援、母子家庭の総合的な自立支援・DV被害者支援の予防的観点から、地域に出てつながりをつくる取り組みも始まっています。